Vergissmeinnicht(忘れな草)

新聞の投稿欄に忘れな草のことが書かれていました(東京新聞、2020/3/15)。それで表題の単語を思い出しました。忘れられない奥の深い単語だったからです。

「私を忘れないでください」は、Vergiss mich nicht!なのがどうしてVergissmeinnichtなのか、不思議でした。しばらくして、vergessenはかつて2格支配動詞でVergiss mein nicht!と使っていたと教わりました(meinはichの2格meinerの古形です)。今では2格支配動詞はずいぶん少なくなりvergessenも4格支配動詞として使われています。そんなvergessenですが、花の名前には2格を残していて、可憐にも<2格を忘れないでね>と訴えているように思われませんか。

ちなみに、英名はドイツ語からの直訳で forget-me-not 、日本では1905年に植物学者の川上滝弥によって「勿忘草」「忘れな草」と訳されたそうです。語源は以下ように記されています。 (Y.N)


昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、誤って川の流れに飲まれてしまう。ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、„Vergiss-mein-nicht!“(僕を忘れないで)という言葉を残して死んだ。残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。 (ウィキペディアより)


1コメント

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  • bb88-02

    2020.03.25 17:05

    <2格を忘れないでね>、そんな風に考えると記憶に残りますね。 和名もその情緒を残していて、素敵だと思います。